家族の安全安心を守るものとして、「住宅」が挙げられると思います。
“人生の約半分を過ごす” といわれる家を、家族全員の身体にとって優しい空間となるように、自然素材を住宅に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
自然素材は2000年以上に渡り、住宅の素材として使われてきました。それがいつしか、経済的な理由から、工業的製品(化学的に作られた素材)を多く取り入れた住宅が増加し、時にはその家で暮らす人に対して、アトピー性皮膚炎、シックハウス症候群、他アレルギー症状等を引き起こす原因となる事もあります。アトピー性皮膚炎に関しては近年増加傾向であり、2008年~2017年の約10年で、患者数が1.5倍になったというデータもあります。
室内外の素材を変えることで、家族の悩みが改善できるかもしれません。
住宅に自然素材を使うことで、どのような効果があるのか見てみましょう。
自然素材には、アレルギーやシックハウス症候群などを引き起こす、有害な化学物質がほとんど含まれていません。
そのため、有害物質の発生で健康を害する心配が軽減されます。特に、床に近い高さで生活する子どもやペットがいるお家ではより安心です。すでにアレルギー症状をお持ちの方にもおすすめだといえます。
自然素材は、年月が経つごとに変化する風合いを楽しめます。
そのため、住めば住むほど愛着のある家になっていくでしょう。また、自然素材ならではの見た目の美しさも魅力のひとつ。使用する素材によってデザインも異なるため、特徴を押さえてお好みのタイプを選ぶことができます。
自然素材は、以下のような効果に期待できます。
例えば、無垢材の床は熱伝導率が小さく、冬でも足元の温度は冷たすぎると感じにくくなります。漆喰は余分な水分を吸い取り、湿度が低くなると水分を放出するという湿度調整の機能をもっているため、夏場にはジメッとした湿度を吸ってくれ、冬場の乾燥した季節には蓄えた湿度を出してくれます。そして、消臭効果にも優れています。
合成化学物質や化学建材とは違い、化学的な手を加えず自然にある力で作られた素材を指します。
代表的なものとしては、無垢の木材や漆喰、珪藻土、紙などが挙げられます。
これらの素材は、湿度調節や二酸化炭素・ホルムアルデヒドの吸収効果などを持っています。
家づくりで最も重要な材料であり、「自然」と聞けば思い浮かべやすいものの一つです。家を支える骨組、建具や家具としての使用が可能です。
「木」といっても2種類あり、ソフトウッドと言われる針葉樹は、加工しやすいことから住宅用材として、一方ハードウッドと言われる広葉樹は硬く、耐久性があることから薪炭や外部資材として重宝されています。
また、においによるリラックス効果、住環境の向上、シックハウス症候群等の症状の軽減など、さまざまな研究から無垢材の可能性が広がりつつあります。
針葉樹 | 杉、桧、ナラ (家の骨組み、床材、室内建具として使用) |
---|---|
広葉樹 | セランガンバツ(ウッドデッキ等、外部使用) |
構造材、床材、室内建具に杉、桧を使用した室内
杉板張りの外壁と、バツ材を使用したウッドデッキ
古くから日本の住まいづくりには欠かせない素材として、今も使われています。
土は湿度の吸収・放出、蓄熱の性能を持っているため、室温の安定などの効果を得ることができます。
和瓦を使用した屋根
迫力を作りだす平板瓦の屋根
楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)といった植物を原料に作られ、日本の美として評価される昔ながらの素材です。
和紙は原料の下準備、原料の煮熟、紙漉きの準備、紙漉き、紙の乾燥という、手間と時間をかけて作られます。もちろん、作成の過程でも化学的なものは使用せず、人の手、自然の力で製作されます。
和紙の透け感を体験
障子のデザインは自由自在、影と相まって情緒溢れる
姫路城と聞けばあの白い壁を思い浮かべるでしょう、あの白い壁こそが漆喰です。
漆喰は生石灰と水、糊、麻スサを練り合わせてできるもので、気候条件等に合わせて調合しなくてはならない繊細な素材です。漆喰の基本的な色は白ですが、顔料を入れることで色を付けることも出来ます。
また、湿度の調湿、脱臭効果、防音性といった性能を持っています。強アルカリ性による殺菌効果も有るため、アレルギーの原因となるカビ・ダニの発生を防止することも期待されます。
コテむら仕上げ(白)のLDK全景
写真では分かりづらいですが、外からの光や照明によって、壁の凸凹を見ることができます。
刷毛引き仕上げの漆喰壁
コテむら仕上げの漆喰壁
石やタイル、コルク材などの素材も提案、採用していただいています。
和室の続き間、全く使っていなかった縁側を日常的に使えるようにしたい、そのご希望から実現した事例の一部です。
自然素材を取り入れたご提案を採用していただき、今現在も快適に暮らしていただいています。
自然素材と聞くと、扱いが難しそうという先入観を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。
ご心配なさらず、そんなことはありません。
床に使用する無垢材はやわらかいため、モノを落としたり、何気ないタイミングで表面に凹みが出来てしまいますが、修復可能なのが自然素材の強みです。
また、月日が経つにつれて床材の色味や表情が変わることも
「暮らしの楽しみの一つ」として感じていただけます。
自然素材に対する“好き嫌い”は人それぞれですが、
自然素材が我々に与えてくれる影響はいいことばかりです。
今のお住まいに対して、家族の悩みを解決してあげたい、自然に囲まれて暮らしたい、
などの思いをお持ちであれば、お気軽にご相談ください。